コンフォーマルコーティング剤・加工メーカーおすすめ比較|絶縁・耐湿・用途で選ぶ3選
コンフォーマルコーティング剤の導入や加工方法を検討する際、さまざまな選択肢があります。
特定のニーズに合わせたコーティングを実現したい、あるいは、より高性能なコーティングを追求したい場合、それぞれの目的や要件に最適なコーティング剤や加工メーカーを選ぶのがおすすめです。
しかし、コンフォーマルコーティング剤のサプライヤーや加工メーカーの数は多く、それぞれ得意とする技術や製品コンセプトもさまざまなので、
- ・どこの会社に依頼したらいいの?
- ・どのようなコーティング技術があるの?
- ・何を基準に選べばいい?
といった疑問や課題が生まれるでしょう。
そこで当サイトでは、コンフォーマルコーティング剤の導入を検討している企業や他社製品への乗り換えを検討している企業の疑問や課題解決に役立つ情報をまとめてご紹介しています。
導入コストや信頼性にこだわって選べるコンフォーマルコーティング剤や加工メーカーに加え、導入時に知っておきたい情報、実際に導入した企業の口コミや評判もWEBアンケートをもとにまとめています。
ぜひ当サイトの情報を参考に、自社の製品に最適なコンフォーマルコーティングを実現しましょう。
コンフォーマルコーティングのおすすめ3社を比較
会社名 | 株式会社野田スクリーン | エア・ブラウン株式会社 | 株式会社フロロテクノロジー |
イメージ | ![]() 引用元:https://www.nodascreen.co.jp/ | ![]() 引用元:https://www.arbrown.com/products/humiseal/ | ![]() 引用元:https://www.fluorotech.co.jp/ |
会社の強み | 多様なニーズに応える技術と一貫体制 | 多様な樹脂と装置でトータル提案 | 多用途に対応するフッ素系専門メーカー |
コーティング剤の種類 | 3種(フッ素、非フッ素、UV) | 2種(有機溶剤、UV) | 1種(フッ素) |
塗布方法の多様性 | DIP(侵漬)、刷毛塗り、スプレー、ディスペンサーなど多様な塗布方法に対応 | 記載なし | 記載なし |
液剤サンプル・新作対応 | 液サンプル提供可 コーティング試作対応可 | 液サンプル提供可 | 液サンプル提供可 |
材料開発~一貫対応 | 社内一貫対応 | 輸入販売・技術サポート(自社開発なし) | 評価・提案・導入支援は社内体制で対応 |
技術サポート | あり | あり | あり |
施工実績 | 自動車・LCDメーカー・航空機・家電・電子機器等 | 自動車・LCDメーカー・航空機・家電・電子機器等 | 自動車・LCDメーカー・航空機・家電・電子機器等 |
従業員数 | 210名(2025年4月末時点) | 94人(2025年3月31日時点) | 13人(時期不明) |
創業年 | 1984年 | 1970年 | 2003年 |
詳細リンク | 詳しくはこちら | 詳しくはこちら | 詳しくはこちら |
公式サイト | 公式サイトはこちら | 公式サイトはこちら | 公式サイトはこちら |
目次
おすすめのコンフォーマルコーティング加工会社3選
株式会社野田スクリーン
株式会社野田スクリーンのおすすめポイント
-
多種類のコンフォーマルコーティング剤をラインナップ
-
塗布加工まで対応可能
-
信頼性試験を自社で実施
多様なニーズに応える技術と一貫体制
塩水滴下試験の結果

使用基材 | 櫛型電極 L/S=318/318μm |
---|---|
塗布品 | WOPシリーズ |
印加電圧 | DC 5V |
塩水滴下量 | 0.3g (5wt%塩水) |
株式会社野田スクリーンの基本情報
会社名 | 株式会社野田スクリーン |
---|---|
強み | 多様なニーズに応える技術と一貫性体制 |
従業員数 | 210名(2025年4月末時点) |
創業年 | 1984年 |
お問い合わせ方法 | 電話・FAX・メール・お問い合わせフォーム |
エア・ブラウン株式会社
エア・ブラウン株式会社のおすすめポイント
-
多様な樹脂のコーティング剤を提供
-
塗布装置との組み合わせ提案が可能
-
UV硬化型で生産性向上を実現
多様な樹脂と装置でトータル提案
エア・ブラウン株式会社の基本情報
会社名 | エア・ブラウン株式会社 |
---|---|
強み | 多様な樹脂と装置でトータル提案 |
従業員数 | 94人(2025年3月31日時点) |
創業年 | 1970年 |
お問い合わせ方法 | 電話・FAX・メール・お問い合わせフォーム |
株式会社フロロテクノロジー
株式会社フロロテクノロジーのおすすめポイント
-
多用途のフッ素系製品を展開
-
撥水・絶縁・耐薬品性に対応
-
用途別に製品を細かく分類
多用途に対応するフッ素系専門メーカー
株式会社フロロテクノロジーの基本情報
会社名 | 株式会社フロロテクノロジー |
---|---|
強み | 多用途に対応するフッ素系専門メーカー |
従業員数 | 13人(時点不明) |
創業年 | 2003年 |
お問い合わせ方法 | 電話・メール・お問い合わせフォーム |
コンフォーマルコーティングについて
コンフォーマルコーティングとは
コンフォーマルコーティングは、電子機器の信頼性と耐久性を向上させるために不可欠な技術です。
さまざまな産業分野で電子機器の重要性が高まるなか、コンフォーマルコーティングの果たす役割はますます大きくなっています。
ここでは、コンフォーマルコーティングの基本的な目的と役割、具体的な性能強化の例、そして近年の技術進化と用途の広がりについて解説します。
コンフォーマルコーティングの目的と基本的な役割
コンフォーマルコーティングのおもな目的は、電子基板をさまざまな外的要因から保護することです。電子基板は、温度変化、湿度、化学物質、粉塵、振動といった過酷な環境にさらされることで、誤動作や故障を引き起こす可能性があります。
コーティング剤は、これらの要因から基板を物理的に隔離し、絶縁性を確保することで、短絡や漏電を防ぎます。また、空気中の湿気や結露から基板を守る防湿性、酸やアルカリといった化学物質に対する耐薬品性も重要な役割です。とくに、産業機械や自動車産業など、高い信頼性が求められる分野では、厳しい環境下での安定稼働を実現するために、コンフォーマルコーティングが不可欠な技術となっています。
コーティングによる性能強化の具体例
コンフォーマルコーティングは、基板を保護するだけでなく、特定の性能を強化する効果もあります。たとえば、防湿性と防塵性が向上することで、動作の安定性や信頼性を高めます。最近では水没にも対応する製品が登場しており、活用できる場がさらに広がっているのです。
また、基板の絶縁性を向上させ、ショートや漏電のリスクを低減するほか、特定の環境下では耐薬品性で基板の腐食や変質を防ぎます。さらに、一部のコーティングは熱伝導性を高めて部品の冷却を助け、光学特性を調整してディスプレイやセンサーに適応できるという特徴もあります。
近年の技術進化と用途の広がり
近年のコンフォーマルコーティング技術は目覚ましい進化を遂げ、その用途も大きく広がっています。高密度実装技術やフレキシブル基板の導入により、設計の自由度が増し、より小型で高機能な電子機器の実現を可能にしています。これにより、持ち運びが容易で、さまざまな環境条件に適応する製品開発が促進されています。
自動車のエンジン制御ユニット、自動運転や電気自動車、通信、医療機器、家庭用電化製品など、多くの分野で高機能なプリント基板が不可欠です。また、環境問題への配慮から、リサイクル化や新材料の開発も進み、持続可能な製品化が模索されています。これからもコンフォーマルコーティングの技術革新は進み、電子機器の可能性も無限に広がることが期待できるでしょう。
コンフォーマルコーティングは、電子基板を湿気、化学物質、振動などから保護する役割
防湿・防塵だけでなく、耐水性や放熱性など高機能なコーティングがある
コンフォーマルコーティング剤の種類と特徴
電子基板を保護するコーティング剤には、さまざまな種類があり、それぞれ異なる特性と用途を持っています。そして、適切なコーティング剤を選定することは、電子機器の性能を最大限に引き出し、長期的な信頼性を確保するために不可欠です。
ここでは、おもなコーティング剤の種類とそれぞれの特徴、そして選定時に考慮すべきポイントについて詳しく解説します。
アクリル系・ウレタン系の特徴と選び方
アクリル系コーティング剤は、比較的耐久性があり、一般的な基板保護に用いられます。塗布後の表面保護に適していますが、防湿性は高くないため、とくに防水性が求められる用途には不向きです。保護機能を高めるには高膜厚が必要となり、その結果、基板の重量が増加する可能性があります。また、有機溶剤を含むため、取り扱い時には火災や爆発の危険性があり、適切な保管や使用、換気設備の設置、作業者の訓練などが求められます。
ウレタン系コーティング剤は、耐摩耗性や耐薬品性が高く、柔軟性がある点が特徴です。耐久性が求められる場所や機器の表面保護に適していますが、アクリル系と同様に防水性は高くありません。高膜厚が必要になる場合もあります。こちらも有機溶剤を含む製品があるため、法的規制を遵守し、安全に取り扱うことが求められます。これらのことから、それぞれの特性と、コスト、必要な保護レベルを考慮して選ぶことが重要です。
シリコン系の特徴と使用シーン
シリコン系コーティング剤は、弾力性のある皮膜を形成し、低温環境でもクラックが起きにくい特性があります。しかし、湿度を通しやすく、防湿性は他のコーティング剤に比べて劣ります。防湿機能を得るには膜厚を増やす必要があり、結果として基板の重量が大幅に増える可能性があります。
このような特性から、シリコン系コーティングは、温度変化が激しい環境や、部品への物理的ストレスを軽減したい場合に適しています。とくに、低温下での柔軟性が求められる使用シーンでメリットを発揮しますが、高い防湿性が最優先される場合は、膜厚の管理やほかの選択肢を検討することも大切です。
フッ素系・オレフィン系について
フッ素系コーティング剤は、他の樹脂と比べ、防湿性や耐酸性に優れている点が大きな特徴です。この特性を活かし、薄い膜厚でも十分な保護効果を発揮し、基板の重量を大きく増やすことなく保護を実現します。また、引火性がなく、安全性も高いため、管理が容易で、防爆設備への追加投資が不要であるほか、粘度が低く塗布しやすく低臭気であることから、作業環境の安全性や快適性の向上にも貢献します。
オレフィン系はゴム状の皮膜を形成し、低温下でもクラックが発生しにくく、高い防湿性が特徴です。ただし、有機溶剤を含有しているため、取り扱い時にはアクリル系やウレタン系と同様の管理が法的に義務付けられています。
選定時に確認すべき性能と落とし穴
コンフォーマルコーティング剤を選定する際には、単に保護性能だけでなく、製品の使用環境や要求される機能、さらには施工環境との適合性を総合的に確認することが重要です。確認すべき性能としては、防湿性、絶縁性、耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性、そして膜厚や硬化時間などが挙げられます。
また、コンフォーマルコーティングは、作業環境に適したものを選択しなければ、せっかく施工しても十分な効果が発揮されないケースもあります。さらに、一部のコーティング剤は有機溶剤を含むことから、取り扱いには十分注意しなければなりません。このように、コーティング剤は性能だけでなく、さまざまな要素を総合して選び、適正な取り扱いをする必要があるのです。
コンフォーマルコーティング剤は、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系などがある
コーティング剤選定時には、製品の使用環境や性能、用途など総合的に判断することが大切
コンフォーマルコーティングが必要な環境とその理由
電子基板は、さまざまな外部環境要因にさらされることで、その機能や寿命が大きく左右されます。電子機器の信頼性を確保するため、あらゆる環境下で安定した性能を維持するためには、コンフォーマルコーティングが不可欠です。ここでは、なぜコンフォーマルコーティングが必要なのか、具体的な環境例や故障のリスクなどの面から、詳しく解説していきます。
湿気や粉じんからの保護が求められる環境とは
電子基板は、湿気や粉じんといった外的要因に非常に脆弱ですが、コンフォーマルコーティングは、これらが基板に侵入するのを防ぐために活用されます。とくに、屋外に設置される機器や、それに準じる環境下の基板では、防水や防塵の目的でコーティングが必要です。
湿度が基板に影響を及ぼすと、腐食や漏電、絶縁不良といった問題が発生する可能性があります。また、ほこりが基板上に堆積すると、電気的な短絡や断線を引き起こすことがあります。これらの環境下で機器の安定稼働と長寿命化を図るためには、コンフォーマルコーティングによる保護が不可欠です。
イオンマイグレーションや腐食による故障事例
電子基板の信頼性を脅かす深刻な問題として、イオンマイグレーションと腐食が挙げられます。イオンマイグレーションとは、湿気と電圧が同時に存在することで金属イオンが移動し、回路間で短絡を引き起こす現象であり、電子機器の誤動作や故障に直結します。たとえば、基板に水分が付着し、通電状態が続くことで、銅などの金属がイオン化し、隣接する配線へと移動することで発生します。
また、電子機器の故障には、このイオンマイグレーションのほかに、電食(電気腐食)も関係します。これは、基板上の金属部分が電気化学的な反応によって腐食する現象で、湿気や不純物の存在によって進行が加速されます。コンフォーマルコーティングは、これらの化学的・電気化学的な反応から基板を保護し、イオンマイグレーションや腐食による故障を未然に防ぐ上で重要な役割を果たします。
製品仕様・取引先から求められるコーティング対応
昨今の電子機器開発においては、製品を特定の環境下で使用するための信頼性と耐久性を保証することが強く求められています。これは、製品の仕様として明記されることはもちろん、取引先からの品質保証要件として提示されることも少なくありません。なかでも屋外に設置される機器では、防水性能がとくに求められるため、適したコーティングを施す必要があります。
とくに「湿度・粉塵・化学物質」などから保護し、イオンマイグレーションを防ぐためには、コンフォーマルコーティングは重要な要素です。そして、コンフォーマルコーティングへの適切な対応は、品質維持はもちろん、製品の市場競争力を高め、顧客からの信頼獲得やビジネスチャンスの拡大につながるケースもあるでしょう。
長寿命化・トラブル未然防止としてのコーティング活用
コンフォーマルコーティングの導入は、電子機器の長寿命化とトラブルの未然防止に大きく貢献します。基板を外部環境から保護することで、湿気やほこり、化学物質といった要因によるダメージを最小限に抑えられます。これにより、回路の劣化や部品の故障を防ぎ、製品全体の寿命を延ばすことが可能です。
とくに、一度設置すると交換が困難な設備や、メンテナンスコストが高いシステムにおいて、コンフォーマルコーティングは費用面でも大きなメリットをもたらすでしょう。定期的な点検や修理の頻度を減らし、予期せぬダウンタイムを回避できるため、企業の生産性向上にも寄与します。コンフォーマルコーティングは、製品の信頼性を高め、長期にわたる安定稼働をサポートすることで、結果としてユーザーの満足度向上にもつながるといえます。
コンフォーマルコーティングは、湿気やほこりによる短絡や腐食、イオンマイグレーションといった故障リスクから電子基板を保護する
製品の長寿命化とトラブル未然防止や取引先からの信頼性を維持するためにも必要不可欠な技術
コンフォーマルコーティングの方法
電子基板へのコーティングを行う場合、適切なコーティング剤を選定することのほかに大切な要素として、最適な塗布方法で施工することが挙げられます。ここでは、代表的なコーティング塗布方法の種類とそれぞれの特徴、作業時の注意点、そして工法選定の際に考慮すべきチェックポイントについて解説します。
代表的な塗布方法の種類と特徴
コンフォーマルコーティングの塗布方法の種類と特徴は下記のようになっています。
- ・刷毛塗り:筆や刷毛などを使い、手作業で塗布する方法です。細かな部分への塗装が可能ですが、人件費や時間的コストがかかります。
- ・ディッピング(ドブ付け・ジャブ漬け・液侵):容器に溜めた液剤に基板を直接浸して施工する方法です。基板全体を均一に覆い、大量生産や複雑な形状に適しますが、不要部分のマスキングや液だれが必須です。
- ・スプレー:スプレー缶で吹き付ける方法で、少量多品種にフレキシブルに対応できるのが特徴です。ただしマスキングやコーティング剤の飛散によるロスには注意が必要です。
- ・ディスペンサー、スプレー塗布機:XY座標で動くロボットとディスペンサーの組み合わせで、必要な部分にピンポイントで自動塗布する方法で、塗布ムラがありません。スプレーユニットの装着で、広範囲への塗布も可能です。
作業時に注意すべきポイント
コンフォーマルコーティングを行う際は、作業時の安全と乾燥性への配慮が重要です。フッ素コーティング剤に使用される不燃性溶剤は引火性がなく、低毒・低臭ですが、溶剤蒸気の直接吸入を防ぐため、局所排気などの十分な換気ができる場所で作業を行い、ゴム手袋、保護マスク、保護メガネなどの保護具着用が必須です。
また、コーティング剤の乾燥性も重要なポイントです。乾燥時間が長いタイプは作業時間を長引かせ、乾燥させるためのスペース確保が必要となります。フッ素コーティング剤のように常温で短時間で乾燥するものは、作業時間の大幅な短縮や効率化に貢献し、塗り重ねる工程がある場合でも、時間的なロスを抑えてくれるでしょう。
方法によって変わる仕上がりと用途適性
コンフォーマルコーティングの塗布方法ごとに、その仕上がり品質や、どのような用途の製品に適しているかは大きく異なります。
スプレー塗布は、少量多品種に柔軟に対応したい場合に適しており、複数回薄く塗布・乾燥を繰り返すことで、発泡やムラなく仕上がり、ピンホール対策も可能です。刷毛による手塗りは、設備が不要で細かい箇所への塗布が可能なため、必要な部分のみにコート剤を塗りたい場合に適しています。飛び散りが少ないためマスキングが不要な場合も多く、コーティング剤のロスも最小限に抑えられます。
ディッピングは、複雑な形状でも隅々までコーティングが可能で、均一な表面に仕上がるため、全体的な保護や大量生産に適しています。ディスペンサーやスプレー塗布機は、プリント基板上の必要な部分にピンポイントで自動塗布でき、液量や膜厚が均一で、コーティング剤の飛散や塗布ムラがないため、高精度で信頼性の高い塗布が求められる用途に最適です。
工法選定時のチェックポイント
コンフォーマルコーティングの工法を選定する際は、最適な方法を見つけるためにいくつかのチェックポイントがあります。
- ・製品の形状と構造:塗布範囲が全体か特定箇所か、複雑な部品があるかを確認し、最適な塗布方法を選ぶ必要があります。
- ・生産量とコスト:少量多品種対応か、大量生産かを踏まえ、設備導入の有無や初期費用、人件費、作業時間、材料ロスのリスクなどを総合的に判断します。
- ・求められる塗布品質:膜厚のコントロールや塗布ムラの有無、均一性など、必要な品質レベルに応じて工法を選定します。
- ・使用するコーティング剤の種類:粘度や乾燥性など、選定したコーティング剤の特性と、塗布工法の相性を確認します。
- ・作業環境と安全性:有機溶剤の有無や換気設備の整備、保護具の着用義務など、安全対策や法規制への対応も考慮します。
コンフォーマルコーティングの方法は複数あるため、製品や作業環境に応じて適した方法を選択する必要がある
工法選定時には、仕上がり品質・生産効率・設備環境など、多角的な視点から総合的に判断することが求められる
プリント基板にコーティングする際の注意点
基板へのコーティングは、電子機器の信頼性と耐久性を高める上で非常に有効な手段ですが、適切な施工が行われない場合、かえって予期せぬトラブルを引き起こすリスクがあります。ここでは、コーティング作業時に発生しやすい具体的なリスクとその対策について解説します。
膜厚のムラ・過不足によるトラブル
コンフォーマルコーティングにおける膜厚の管理は、その性能を左右する重要な要素です。膜厚にムラがあったり、不足している箇所があると、期待される防湿性や絶縁性が十分に発揮されず、湿気や化学物質の侵入を許し、結果的に腐食や短絡といったトラブルにつながる可能性があります。
反対に、膜厚が過剰になると、重量超過といった問題や、コスト増加につながることもあります。このようなことから、安定した品質を確保するためには、均一な膜厚を維持するための塗布技術と、塗布量、そして手順をしっかりと調整することが求められます。
はんだ部・コネクタのマスキング漏れ
プリント基板のコーティングにおいて、はんだ付けされた部分やコネクタ端子など、電気的な接続が必要な箇所はコーティングから保護する必要があります。これらの部分にコーティング剤が付着すると、接触不良やはんだ付け不良、さらには機能不全を引き起こす可能性があります。
とくに、ディッピングでは、接点部分やコネクターなどの非コーティング部分には完璧なマスキングが不可欠です。マスキングが不十分であった場合、これらの電気的な接続が必要な箇所にコーティング剤が付着し、接触不良や機能不全を引き起こすリスクがあります。
気泡・ブリスターの発生と対策
気泡やブリスター(塗膜の膨れ)は、コーティングの保護性能を低下させる重大な欠陥のひとつです。ブリスターは、水分の多い環境で塗装を行った場合に、空気中の水分子が塗膜のなかに入り込んでしまうことが原因で、入り込んだ水分子が基材に到達すると冷えて液体になってしまうのです。
これらの不良を防ぐ対策として、乾燥工程や塗装対象の吊り方の確認や見直し、塗装工程の再検討や徹底などが挙げられます。また、防錆剤などが落としきれていない場合も起こるため、コーティング前の下処理を徹底するなどの対策も有効といえるでしょう。
リワーク(再加工)への対応
電子基板のコーティング後に、設計変更、部品交換、あるいは不良品の修理などでコーティングを剥離し再加工(リワーク)が必要となる場合があります。しかし、一度硬化したコーティング膜は、その種類や膜厚によって剥離が困難な場合があり、無理な剥離は、基板や周辺部品に損傷を与えるリスクがあります。
そのため、コーティング剤を選定する段階で、将来的なリワークの可能性を考慮し、剥離しやすい特性を持つコーティング剤を選択することも一つの対策です。また、リワークの際には、専用の剥離剤や加熱ツールなどを用いて、基板へのダメージを最小限に抑えながら慎重に作業を行う必要があります。万が一のトラブルに備え、リワークの容易さも考慮したコーティングを行うことも検討しましょう。
膜厚のムラ、マスキング漏れ、気泡・ブリスターの発生に注意が必要
リワークの可能性も考慮したコーティング剤の選定や塗布方法の検討が大切
コンフォーマルコーティング導入判断のポイントと外注の可否
電子機器の信頼性を高める上で不可欠なコンフォーマルコーティングですが、その導入には社内体制との兼ね合いやコスト、外注品質の見極めなど、検討すべき多くの要素があります。ここでは、コンフォーマルコーティングを導入する際の重要な判断ポイントや、外注を検討する際の選定基準、費用対効果、そして契約上の留意点について解説します。
外注業者を選定する際のチェックポイント
コンフォーマルコーティングを外部に委託する場合、品質と信頼性を確保するためにいくつかのチェックポイントがあります。まず、製品の特性に適したコーティング剤を選定できるかが重要です。フッ素コーティング剤など、特定の高機能材の取り扱い経験や専門知識があるかを確認しましょう。
次に、適切な塗布方法を選択できる技術力を持つかを見極める必要があります。手作業から自動塗布機まで、多様な工法の中から、自社の製品に最適な仕上がりを実現できるかどうかも重視したいポイントです。過去の導入事例や実績も確認し、信頼できる業者を選択しましょう。
さらに、品質を評価するための検査体制が整っているかも重要です。このようなポイントをチェックしておくことで、外注後の品質を客観的に確認でき、想定外の不良リスクを低減できるでしょう。
費用対効果の見極めと長期的メリット
コンフォーマルコーティングの導入を検討する際は、短期的なコストだけでなく、長期的な費用対効果を深く見極めることが重要です。初期投資や委託費用は発生しますが、コーティングによる防湿・耐食性向上は、製品の寿命を延ばし、故障率を大幅に低減するメリットがあります。
これにより、修理や不良品への対応にかかるコストを削減し、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。とくに過酷な環境下で使用される産業機械や車載機器では、故障によるダウンタイムが大きな損失につながるため、予防的なコーティング投資が結果としてトータルコストの削減に貢献します。
導入・外注時に気を付けたい契約面の留意点
コンフォーマルコーティングの導入や外注を決定する際には、契約内容に十分な注意を払う必要があります。まず、品質保証の範囲と基準を明確にすることが重要です。コーティングの性能に関する具体的な数値目標や、不良発生時の責任範囲、再加工(リワーク)に関する取り決めなどを細かく確認しましょう。
次に、納期と生産体制に関する合意も不可欠です。安定した供給を確保するため、業者の生産能力や緊急時の対応力を把握しておくべきです。また、万が一のトラブルに備えて、損害賠償や秘密保持に関する条項も確認し、適切な内容になっているかも併せてチェックしてください。これらの契約面の留意点を事前に確認し、リスクを最小限に抑えることで、安心して導入・外注を進められるでしょう。
外注業者を選定する際は、製品特性に合ったコーティング剤の選定や技術力、対応力をチェック
短期的なコストだけでなく、長期的なコストも見据えて導入を検討しよう
コンフォーマルコーティングで重視するポイントは?【WEBアンケート調査結果】
電子機器の信頼性や耐久性を高めるうえで、欠かせない工程である「コンフォーマルコーティング」。では、実際に業者を選定する際、どんな点を重視しているのでしょうか?
当サイトでは、コンフォーマルコーティングの導入経験がある方に向けてWEBアンケートを実施し、最も重視されたポイントを調査しました。業者選びや導入時の比較材料として、ぜひ参考にしてみてください。
第1位は「導入コストや価格帯」(29%)
製造コストを抑えたい企業や、量産ラインでの導入を前提とした企業にとって、コスト面は非常に重要なポイント。
とくに近年は材料費や電気代の高騰もあり、「予算に合うかどうか」「価格に見合った品質か」をしっかり見極めたいという声が目立ちました。
第2位は「塗布加工の品質・信頼性」(24%)
コーティングのムラや厚み、密着性、防湿・絶縁性能など、実際の加工品質を重視する声も多く見られました。
とくに医療・車載・通信機器といった分野では、製品寿命や安全性に直結するため、品質に対する要求が非常に高くなっています。
第3位は「使用環境や機能に合ったコーティング剤の種類」(19%)
製品の使用環境(高温多湿・屋外・塩害地域など)や目的に応じて、適切なコーティング剤(アクリル、ウレタン、シリコーン、パラキシレンなど)を選べるかどうかが重要視されています。
専門知識をもとに、最適な提案をしてくれる業者が選ばれている傾向が見られました。
第4位は「外注対応の柔軟さ」(13%)
「短納期で対応してくれるか」「少量でも依頼できるか」といった柔軟性を求める声も多く、特に開発部門や試作段階でのニーズに対応できる業者が好まれているようです。
第5位は「評価・検査体制やサポート体制」(15%)
加工後の検査やトラブル時のサポート対応、報告書の内容などを重視する声もありました。品質保証やトレーサビリティへの対応も、信頼性の高い業者を見極めるポイントになっています。
アンケートの結果は以上です。
アンケート結果からもわかるように、導入前には価格や品質、納期など複数の要素を比較検討する必要があります。最後に、今回の内容をまとめて振り返ってみましょう。
まとめ|コンフォーマルコーティングで後悔しない選定のために
コンフォーマルコーティングは、電子機器の信頼性と長寿命化に不可欠です。導入コストや外注品質、社内体制との兼ね合いを考慮し、費用対効果を見極めながら信頼できる業者を選びましょう。そして、適切なコンフォーマルコーティングを実現してください。
【PR】液剤販売~コーティング加工までOK!コンフォーマルコーティングは野田スクリーンへ

コンフォーマルコーティングの課題を解決!野田スクリーンの強みをご紹介
・製品開発〜塗布加工〜品質評価までを自社内で一貫対応
・フッ素系・非フッ素系・UV硬化型など、多様な用途に応じた液剤を提供
・小ロット・試作にも柔軟に対応!課題解決をサポート
【ジャンル別】コンフォーマルコーティング一覧
コンフォーマルコーティング関連お役立ちコラム
【その他】基板コーディング剤・加工メーカー一覧
コンフォーマルコーティングのおすすめ3社を比較
会社名 | 株式会社野田スクリーン | エア・ブラウン株式会社 | 株式会社フロロテクノロジー |
イメージ | ![]() 引用元:https://www.nodascreen.co.jp/ | ![]() 引用元:https://www.arbrown.com/products/humiseal/ | ![]() 引用元:https://www.fluorotech.co.jp/ |
会社の強み | 多様なニーズに応える技術と一貫体制 | 多様な樹脂と装置でトータル提案 | 多用途に対応するフッ素系専門メーカー |
コーティング剤の種類 | 3種(フッ素、非フッ素、UV) | 2種(有機溶剤、UV) | 1種(フッ素) |
塗布方法の多様性 | DIP(侵漬)、刷毛塗り、スプレー、ディスペンサーなど多様な塗布方法に対応 | 記載なし | 記載なし |
液剤サンプル・新作対応 | 液サンプル提供可 コーティング試作対応可 | 液サンプル提供可 | 液サンプル提供可 |
材料開発~一貫対応 | 社内一貫対応 | 輸入販売・技術サポート(自社開発なし) | 評価・提案・導入支援は社内体制で対応 |
技術サポート | あり | あり | あり |
施工実績 | 自動車・LCDメーカー・航空機・家電・電子機器等 | 自動車・LCDメーカー・航空機・家電・電子機器等 | 自動車・LCDメーカー・航空機・家電・電子機器等 |
従業員数 | 210名(2025年4月末時点) | 94人(2025年3月31日時点) | 13人(時期不明) |
創業年 | 1984年 | 1970年 | 2003年 |
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